漢字百話
- 作者: 白川静
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1978/04/25
- メディア: 新書
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目次を見てわかるとおり、漢字(文字)以前の話から、漢字の発生、
古代の宗教、字形学、漢字の歩み等等、系統立ててまとめられていると思う。
ただとにかく内容が濃い。読んでも読んでも底が知れない。
とにかく最初にちゃんと理解したかったのが、漢字の特徴とは何か?
私は言葉というものは人と人の意思を伝達するための道具コミュニケーションの
道具だと考えていたのだけど、漢字の発生はそれとはまた違う歴史が
あると書かれている。
漢字のコアとなる文字には、元々宗教や政治に関する儀式や儀礼そのもの
を意味していると書かれている。例えば青銅器に刻まれた文字は誰かに
意思を伝えるためというのではなく、外的からコミュニティを守る呪文
のような役割で存在し、青銅器自身も土の中に埋められていたという。
また文字は元々、「文」という言葉だったがこれは「文身」入れ墨を
意味していたという。これもまた通過儀礼と繋がる意味があったという。
まだ整理ができていないのだけれど、最後まできちんと読み通すことが
できれば漢字の使い方、読み方、考え方が変わるような気がする。