ジェネラティブ・アート
ジェネラティブ・アート -Processingによる実践ガイド
- 作者: Matt Pearson,久保田晃弘,沖啓介
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2012/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ジェネラティブ・アートという言葉は全く知らなかったのだけれど、Processingで幾何学的な絵を描く勉強になるかなと思って購入しました。
正直「アート」的な要素は期待していなかったんだけど、実際に読んでみると「アート」に関する記述が印象的で面白かったです。
アートを表現するための媒介(メディア)が紙や本、CDなどの「結果」を記録する媒体から「プロセスを記述できる」アルゴリズム、プログラムへと移行していると本書の監訳者のことばに書かれていますが、本書はまさに物事を創出するための「プロセス」に焦点をあてた構成になっています。その意味でprocessingというプログラミング言語に留まらず、自分で何かを創るプロセス全般にヒントを与えてくれる本です。
本書の構成がそのように、モノを創り上げるプロセスを踏んでいる事で、プログラミングに詳しくない人でも、パソコン/マックさえあれば楽しく実践できると思います。例えば「線を引く間違った方法」「円を描く間違った方法」という章の題名だけでも楽しそうですよね。
自分が読んでいて色々応用してみたいと思っているのは、「創発」に関する章です。アリの群れと群衆アルゴリズムを例に、複雑なパターンがシンプルなルールの組み合わせで実現されている事が紹介されていて「ローカルに考え、ローカルに行動する」プログラムを自分で試せるのがこの本の一番の醍醐味だと思います。
キャプチャ中の動画に、うねうねと大きさを変えて動きながら消滅を繰り返す円を重ねるのも短いプログラムで簡単に実現できます。
今度センサーと組み合わせて遊んでみたいと思います。